ヒトが死ぬとき細胞の99・99%はまだ生きている
実際問題として、純粋に細胞の老化が原因でヒトが死ぬケースは少ないのです。ヒトが死を迎える時、その細胞がまだ分裂を続けているケースは99、99%も高いのです。遺伝的アプローチで理論的な極限寿命をさらに延ばすこと、つまり、細胞分裂の回数を増加させることによって寿命を延ばすことも、やがていつか将来には可能になりましょう。でも、今のところは、そこまでは望まずに、取りあえず抗酸化食品によって活性酸素の害を減らすだけでも相当の延命は可能なのです。
活性酸素について最後に1つだけ付け加えましょう。栄養学者や老年学者の中には、老人には若者と異なるある種の「老人臭」があると言います。これは衛生状態とは全く関係がありません。若い人々よりも老人の方がむしろ衛生に気を使う人が多いのが普通です。ここで問題にされているのは、不潔からくる臭いではなく、酸敗臭なのです。好みからなのか、あるいは歯が悪いからか、理由はともかくとして、老人には果物と野菜を食べる人が少ないことが指摘されています。これが事実だとすると、老人は抗酸化食品の摂取が少ないということとなり、その結果として活性酸素の攻撃を受け易いことになります。酸敗臭こそが老人の体内で酸化が急速に進んでいる徴候に他なりません。こうなるといずれ深刻な病気になるのは時間の問題となるのです。
クレイトン博士の「英国流医食同源」 ~発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる~(翻訳版)の内容を転載しています。
当コンテンツは、現代人の食生活に関する問題や身体を守る抗酸化物質に関する豊富な研究結果を元に、多くの消費者の誤解の本質を解き、健康な食生活の実践を啓蒙している、論文『クレイトン博士の「英国流医食同源」~発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる~』の内容を転載しております。