医者に殺されない47の心得 ~医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法~
健康な人は医療被ばくを避ける。CT1回でも発がんリスクあり
医者に殺されない47の心得
~医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法~
- 近藤誠 著
- 慶應義塾大学医学部放射線科講師
慶應義塾大学医学部卒業
がんの放射線治療が専門
乳房温存療法のパイオニアとして、抗がん剤の毒性、拡大手術の危険性など、がん治療における先駆的な意見を一般の人にも分かりやすく発表し、啓蒙を続けてきた功績をたたえられ、2012年「第60回 菊池寛賞」を受賞。
日本は医療被ばく大国!
3・11以後、日本人は放射線被ばくの問題に、「低線量なら安全だ」「いや、どんなに微量でも危険らしい」と、とても敏感になっています。
しかしレントゲン、CT検査などによる「医療被ばく」には無頓着です。健康な人がまず避けるべきは放射線検査。放射線は、細胞の中のDNA(遺伝情報)を必ず傷つけます。浴びた量によって1歩か100歩かの違いはあるものの、発がんに向かって必ず歩を進めます。国や医療機関は、医療被ばくの危険などほとんどないような偽りの説明をくり返している。原発を推進するために、国や電力会社が「原発は安全。放射線に危険はない」と言い続けてきた反省がまったく見られません。
日本人のがん死亡の3.2%は医療被ばくが原因
医者たちも、高価な機器のモトをとるためや、問診や聴診よりも手っとり早く儲かるので、患者に「とりあえず」「念のために」と安易にCT検査をすすめています。
日本のCT装置の台数はダンゼン世界一で、全世界の設置台数の3分の1以上。1993年に8千台、2003年には1万4千台に増えています。放射線検査による国民被ばく線量も、検査によって起きる発がん死亡率も、世界ワーストです。
イギリスの研究によると「日本人のがん死亡の3.2%は医療被ばくが原因」「世界15か国で、日本が最もCT検査回数が多い」「発がんへの影響は英国の5倍」という医療被ばく大国ぶりです。(2004、医学誌『ランセット』)。
「とりあえずCT」の被ばく線量は、国が避難目安にした数値と同じ
CT検査では、360度全方向から体にX線を当てて、検出結果をコンピュータで計算し、人体の輪切り映像を見て診断します。被ばく線量はX線撮影の200~300倍です。これはたった1回のCT撮影でも、発がん死亡のリスクが生まれる被ばく線量です。
具体的には、45歳の人の場合、全身CTを1回受けただけで1万人中8人(0.08%)、30年間毎年同じ検査を受けると、1万人中190人(1.9%)が「被ばくにより発がん死亡する」と推定されています。
胸部だけのCT検査でも、医療被ばく線量は信じられない数値になります。
原発事故のあと国が避難の目安にした「年間」の被ばく線量は20ミリシーベルトでした。胸部CT検査は1回でその半分、10ミリシーベルト前後に達します。しかも一般的に「造影CT」といって、1回撮影したあと、造影剤を静脈に注射しながらもう一度撮影するので、2回で20ミリシーベルト。腹部・骨盤CTはさらに被ばく線量が多く、1回で20ミリシーベルト。造影CTまでやればその倍になります。
しかも、日本で行われているCT検査の8~9割は、必要のないものです。
またレントゲン検査は、病院の検査は比較的安全ですが、会社や地域の健診を検診車で受ける場合は要注意。検診車のレントゲン装置は間接撮影装置なので、病院などに設置されている直接撮影装置に比べて、被ばく線量が3~10倍多くなると言われています。アメリカでは取りやめられた間接撮影装置を、日本は今も使っています。
欧米の医療の専門家たちは、医療被ばくの発がんリスクを前提にして、患者保護に動いています。しかし日本ではいまだに、医者も患者も「とりあえずCT」「何でもCT」。国民の被ばく線量は増え続けて、今、がん死の原因の6%を超えているという説もあります。日本で医療被ばくによるがんで亡くなる人は推定、毎年2万人前後。
CT検査で被災しないように、くれぐれも注意してください。
医者に殺されない47の心得 ~医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法~(書籍)の「心得10 健康な人は医療被ばくを避ける。CT1回でも発がんリスクあり」の内容から、抜粋して掲載しています。
当コンテンツは、従来の医療の問題・限界、特に、放射線治療・がん治療の問題・限界を的確に捉え、放射線治療に存在するリスクと正しい放射線治療との付き合い方を医師と患者に啓蒙している、書籍『医者に殺されない47の心得 ~医療と薬を遠ざけて、元気に、長生きする方法~』~の内容を元に作成いたしました。段落タイトル、及び黄色のハイライトは、リラクゼンセレクト側で付加しております。