肉体を酷使した昔の人はよく食べた
栄養についての問題は、関連する要因が複雑過ぎることです。まず第一に、現代生活では、例えば自動車の利用によって、身体が消費するエネルギーが少なくなっていますので、昔に比べて食べる量も減ってきています。わずか20年前と比べてさえ、当時は、一日当たりのエネルギーの摂取と消費は、現在よりも800カロリーは高かったと言われます。これはつまり、われわれの両親の食事量はわれわれより30%は多く、その消費するエネルギーも同じように30%多かったというわけです。微量栄養素を考慮すると、問題はもっと深刻だと思います。現代の加工食品産業の大幅な技術進歩を考えると、その思いはいっそう強くなるばかりです。果物でも野菜でも、その「しゅん」の季節に新鮮なものを食べるのは難しくなり、多くの家庭では料理そのものさえしなくなりつつあります。コンビニエンスストアなどで売られている手を加え過ぎた加工食品、便利な食品、過剰な耕作によって中に含まれる栄養素が不足している農作物、長期保存の食品、不適当な調理法など、こういったすべてが微量栄養素の摂取を困難にしています。例えば、オレンジを例にしましょう。収穫直後の新鮮なオレンジは1ケでおよそ200ミリグラムのビタミンCがありますが、長期保存の後ではほとんどゼロになってしまいます。
第一章 ビタミン剤は高価な小便か?
肉体を酷使した昔の人はよく食べた
クレイトン博士の「英国流医食同源」 ~発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる~(翻訳版)の内容を転載しています。
当コンテンツは、現代人の食生活に関する問題や身体を守る抗酸化物質に関する豊富な研究結果を元に、多くの消費者の誤解の本質を解き、健康な食生活の実践を啓蒙している、論文『クレイトン博士の「英国流医食同源」~発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる~』の内容を転載しております。